カマキリの卵で積雪を予想する方法!【卵の場所と時期がポイント】
カマキリの卵でその年(次の冬)の積雪の予想が出来るって知ってますか?
カマキリが高い場所に卵を産めば、大雪になることが知られています。
私は最初聞いたとき「へぇ~すごい」と思っただけでしたが、その真実性とそこから導かれる昆虫の災害予知能力の可能性に心を奪われました^^;
カマキリの卵を使った積雪予想は単なる都市伝説的なものではなく、地道な観察、研究が証明した賜物です。
北陸、東北、北海道など積雪地帯の方はもちろん、それ以外の地域の方も是非昆虫の知られざる予知能力の世界を楽しんでください^^
カマキリの卵の研究
雪がたくさん積もる地方には昔から、カマキリが高いところに卵(卵のう)を産み付けると大雪なると言う民間伝承がありました。
今から55年前、新潟で電気屋を営んでいた酒井興喜夫さんという方がその民間伝承を実証するために観察を始めました。
そして、その結果は驚くべきものでした。
(★カマキリはスギの様な針葉樹の葉の裏に好んで産卵する。)
なんと現在ではカマキリの産み付ける卵のうの場所(高さ)から、本当に積雪予測が出来るようになりました。
それでは分かりやすく説明しますので、詳しくみていきましょう!
カマキリの卵を産む場所(高さ)と積雪の関係
(★落葉樹の高い場所に卵を産むと、天敵の鳥に発見されやすい)
上記で説明した酒井博士の研究によりますと、カマキリは冬を迎えるに当たり、その冬の最深積雪面の少し上辺りに産卵するようです。
カマキリの卵のうは、発泡状で断熱・緩衝効果もありますが、さすがにずっと雪の中に埋まっていては困りますからね。
その冬一番雪が積もる面より高いところに卵を産めたら最高です^^
ですが、だったら何も最深積雪面ギリギリ付近を狙うよりも、もっと高い場所に生めばよいと思いませんか?
ここでカマキリ達にとって、もう一つ考えなければならない重要な問題があります。
そうです、天敵の鳥たちに卵のうが見つかったら食べられてしまいます。
エサが少ない冬には、カマキリの卵は鳥達の貴重なタンパク源になります^^;
木の上の方の目立つところに卵ある様なら、そっこうで鳥達に見つかってしまうんです^^;
ですから雪が積もっても大丈夫なように平均積雪の3倍程度の高さの木を見極める様です。
スゴイですね~!
確かに例えば1.5倍程度だと雪から出来ている部分はが少ないので、積雪面付近に卵を産み付けてもすぐ見つかってしまいそうです。
この様な感じでカマキリは卵を産卵する高さを選びます。
まとめると、
①平均積雪の3倍程度のスギなどの針葉樹の木の裏を好む
②高さは、これから迎える冬の最深積雪面の少し上付近
理屈では分かっても、これから来る冬の最深積雪面が分かるというのが人知を超えたカマキリの予知能力には驚きです。
東西問わず、カマキリはスピリチュアルな昆虫として見られていますが、こういうところでも納得ですね!
(★カマキリは神秘的で縁起が良い虫としての一面を持っています)
卵の時期も積雪に関係がある
(★この様な草むらの中でも卵を見るが、豪雪地帯では雪に埋もれて窒息する可能性がある)
雪国の暮らしではどのくらいの高さまで雪が積もるのかということが一番気がかりですが、いつから雪が降り始めるのかということも大切です。
知っているか知らないかでは、冬の準備をする時期に大きく関わってきます。
実は、雪が降り始める時期を予測するにもカマキリの産卵が役立ちます。
あくまで新潟県長岡市での40年以上に渡る観察に寄るもので、他の地域でそうなるかは分かりませんが、
カマキリの初産卵から90日前後でその年の初雪が降る
ということが経験的に実証されています。
そしてちょうどカマキリの産卵の最盛期から90日後に降った雪が根雪になるということです。
一般的にカマキリの産卵の時期は9月、10月です。
(★こちらの記事も参考にしてください)
カマキリの卵のうを見つけてみよう!
さてここまで読んで頂いたあなたはカマキリの卵が見たくなりましたか?
そういう方もいるでしょうと言うことで、カマキリの卵が産みつけられている場所を紹介します^^;
都会でもビルの壁に生みつけられている場合もありますが、やはり多くは草むらや木ですね。
なかでもカマキリが一番産卵で好む場所は杉の木の裏です。
草むらの背丈の高い草の葉に産み付けられていることもたくさんありますが、雪国の場合は冬に雪に埋もれて越冬出来なくなってしまいます。
そういうわけでそれなりの高さのある木なのですが、落葉樹よりも常緑樹、しかも針葉樹を好む様です。
理由は次の通りです。
①落葉樹では冬葉が散ると一緒に卵が落ちてしまう可能性があり、枝だけになるので卵が天敵の鳥に見つけられやすい。
②スギの様な針葉樹は卵が小さく多くの葉に絡みつきやすく、冬も落葉しないので冬に卵が落ちることがない。
③しかも、天敵である鳥はトゲ状の葉の形状や留まり憎さから針葉樹を嫌う傾向がある。
④たとえ葉に雪が積もっても、葉の裏だとうまくスギの葉が卵を包み込んでくれる。
以上のことから、近くにスギの木があるのでしたら一度スギの木を探して見てくださいね^^
あと春に卵からふ化してカマキリの幼虫は、アブラムシやカイガラムシをエサとして捕食します。
そのためにカマキリは産卵場所の条件として、近くにこれらのエサとなる虫がいるヨモギ、フキなどの雑草が生えている場所を選びます。
まとめると、カマキリの立場に立ってカマキリの卵のうを発見できる一番良い場所は、
近くにヨモギ、フキなどの雑草があるスギなど針葉樹の葉の裏
ということなりますね!
★カマキリの卵を見つけたら場所、日時などを添えてコメント欄より是非教えてください^^
喜んですぐ返信致します!
写真があったら最高です^^;
おすすめの書物
このページの多くは次に挙げる本を参考に書いています。
一般の方が読むにはとっつき難いですが、これから研究職を目指す方にとってはとても参考になると思います。
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そして、現在大学や企業等の研究職でない人も空いている時間に研究して多くの人の役に立つことが出来るという希望も与えてくれると思います^^
実際この著者の方は、もともと町の電気屋さんだったわけです。
そして積雪でも壊れないなるべく長く持つテレビ用アンテナを自分で工夫して作っていました。
毎年その年の積雪がどうなるか気になり、カマキリの卵のうによる積雪予報をするに至った様です^^
この研究で著者の酒井興喜夫さんは博士号を取っています。
博士号を取るには必ずしも大学院の博士課程に進む必要はありません!
酒井博士の様な方が増えたら日本はさらに豊かな国になると思いました^^
あとがき
日本は地震、豪雨、台風、火山噴火など自然災害が多く、自然と調和して生きていくと共に自分達の身を守っていかなければなりません。
そんな中、これらの災害予知に対する知恵を昆虫など他の生物から貸して頂くことは、地球の住人の一員としてすごく意味のあることだと思います。
是非より多くの方が、これらの研究に少しでも興味を持って応援してくれたらとても嬉しいです^^
この記事を読んで昆虫など動植物の不思議に関してあるいは、自分はこのことを研究してみようと思い立ったことなど是非コメント欄からコメントして頂けるとうれしいです^^
お待ちしております!
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