カメムシを好んで食べる天敵は?天敵ランキング10!鳥、カエル・・
カメムシと言えば、臭い匂いを出す嫌われモノです。
なぜ、そんな匂いを出すかと言えば、スカンク同様、天敵からの捕食を免れるためですよね。
それでは一体カメムシにとって、どんな動物、植物、自然が天敵となるのか?とふと考えました。
一体どんな天敵が存在するでしょうか?
ここでは、ランキング形式を取り入れて、カメムシの天敵をやさしく解説したいと思います^^
それでは見ていきましょう!
目次
カメムシの天敵は?ベスト10!
1位:野鳥
(写真:モズ)
これはあきらかでしょう。
鳥にとっては、大きさ1cm,2cmのカメムシは鳥がくちばしで捕らえ食べるのに最適な大きさです。
そして鳥のヒナにとっても、よいエサになりますね。
参考文献のところにも載せておきますが、「教えてゲッチョ先生!昆虫のハテナ」という本に鳥のカメムシ捕食についての話題が載っていました。
まとめると、
- 日本で野生化しているソウシチョウ(ヒマラヤ原産)という鳥の食性を調べるために解剖したら、クサギカメムシ1匹、チャバネアオカメムシ2匹が出てきた。他は小さな種と小型のハチが食べられていた。
- もう一匹の胃の中にもカメムシが3匹入っていた。
- モズのハヤニエにもカメムシが混じっていることがある。
- 家でカルガモのヒナを買ったことがあるが、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシを与えると喜んでバクバク食べた。
(★とても読みやすく、面白い本なので是非読んでください^^)
です。
なるほどこれでは、カメムシはたまったものではありません。
カメムシは羽があり飛んで天敵から逃げることも出来ますが、鳥からは逆に目だって食べらてしまいますね~
第2位:寄生蜂(まさに天敵!)
寄生蜂って知っていますか?
カメムシだけでなく多くの種類の昆虫やクモの仲間に寄生する蜂の一種です。
これはまさにカメムシの天敵と言えます。
寄生蜂はその種類によって、寄生する昆虫、クモ、植物の種類もことなりますが、カメムシに寄生するのは、
- チャバネクロタマゴバチ
- カメムシタマゴバチ
- マルボシハナバエ
等がいます。
カメムシを主に狙うハチがいるなんて、カメムシにとっては何とも恐ろしいですね。
基本的に寄生蜂はカメムシの卵に自分の卵を産み付けます。
タマゴバチは、「天敵としてのカメムシ」のところでも取り上げている生物農薬として稲作の力強い見方になってくれるかもしれません。
第3位:カマキリ(草むらのハンター)
カマキリは言わずとしれた草むらのハンターです。
カメムシだけでなく、多くの昆虫をその武器のカマで捕食します。
カマキリは、幼虫の頃はアブラムシ、カイガラムシを食べますが、成虫なるとトンボ、バッタ、イナゴ、コオロギ、ハチとあらゆる虫を食べます。
カメムシもその内の一つです。
カマキリの世界は共食いもあり、特に交尾後、メスがオスを襲って食べてしまうという恐ろしい世界です。
第4位:クモ(クモの巣にかかったら終わり)
私も何度もカメムシがクモの巣に掛かっている場面に出くわしたことがありますが、飛ぶ昆虫にとってクモは天敵です。
上記の本にもクモについての記述がありました。
ジョロウクモの巣に掛かっていた獲物を調べてたら102の巣で149匹の虫が掛かっていたそうです。
そのうちなんと45匹がカメムシで、チャバネアオカメムシが36匹だったそうです。
149匹中45匹ということは、ジョロウクモの巣に掛かっていた虫の30%がカメムシだったとうことですね。
まさに天敵。
カメムシは、よく飛ぶし身も軽いので、一度掛かってしまったら、もう逃げることは出来なさそうですね。
今度クモの巣を見つけたら、カメムシが掛かっているか観察してみてください。
もし掛かっている場面に遭遇したら、是非記事下のコメント欄よりコメントください^^
第5位:カエル(本当は食べたくないが・・)
(写真:アマガエル)
カエルは主に昆虫を捕食して、生きています。
カメムシも例に漏れず、カエルに食べらてしまいます。
カエルに聞いたわけではありませんが、カメムシは臭いガスを放出するので、カエルとしては出来れば避けたいというのが本当のところらしいですよ^^;
第6位:アリ(卵を狙っている?)
アリは主にカメムシが卵の時の天敵になります。
カメムシはハチやアリとまでは無いにしても、集団の中で社会組織を形成している社会性のある昆虫として専門家の中では知られています。
それでカメムシは集団で産卵し、集団で卵を保護する習性があります。
その他の「卵を産んで、はい終わり!」というほとんどの昆虫と違い、子の面倒を見るんですね。
アリとかが来たら羽を羽ばたかせたり、あの臭い匂いを噴射してアリを麻痺せたりします。
と言っても、アリはスゴイ数です。
すべては守れないのでたくさんの卵を産むのが昆虫や魚の世界ですからね~。
カメムシはアリに対してあの匂いのあるガスを噴射し、麻痺させてしまいます。
アリはそれを本能的に知っているのでしょう、アリはカメムシの匂いを嫌うとのことです。
第7位:その他の天敵となる昆虫(オマエもか?)
その他の天敵としては、ゴミムシ、アブなどがカメムシの卵を狙うようです。
アリのところで書きましたが、カメムシは卵を守る習性がありますが、全ては守りきれないのが現状です。
第8位:天敵としてのカメムシ(仲間なのに!)
カメムシの天敵に実は、自分達と同属のカメムシがいます。
1つ目は、同種といってもカメムシのガスには毒性がありそれによって仲間のカメムシが麻痺してしまうことがあります。
通常、毒で護身する生物は自分は大丈夫なようにその毒性に対して抗体があるのですが、カメムシはそれを持ち合わせていません。
そして2つ目、カメムシの仲間には他のカメムシを捕食する仲間がいます。
オキトビサシガメ等サシガメの仲間とグンバイメクラガメも他のカメムシを捕食する様です。
通常、草食性のカメムシですが、サシガメというカメムシの種類は、肉食なんです。
例1)クチブトカメムシの仲間は、肉食で蝶や蛾の幼虫、甲虫の体にストローの様な口器を刺し込み体液を吸収します。
ヨトウムシ、青虫(モンシロチョウ)、ハムシ、シャクトリムシ
例2)タイリクヒメハナカメムシは、ピーマン等の野菜の害虫となっているミナミキイロアザミウマやハダニを捕食する。⇒すでに商品となっている。
例3)カスミカメムシは水田で発生するウンカ類の卵を吸う
例4)ハネナガマキバサシガメは田んぼでウンカ、ヨコバイ等を捕食
カメムシの中には、人間の役に立つ仲間をいるというお話でした。
第9位:冬虫夏草(カメムシタケ、隠れた刺客?)
『冬虫夏草』とはまるで商品名の様ですが、胞子の状態で生きた昆虫に取り付き菌糸を伸ばし養分を摂取するという殺虫キノコの総称です。
取り付く昆虫によって、キノコの種類は変わってくるのですが、カメムシの場合は「カメムシタケ」と言われ、学名をコルディセプス・ヌータンスというそうです.
『おもしろ生態と上手なつきあい方 カメムシ』という本に、カメムシタケの宿主として記録されているカメムシが載っています。
その中には、私達が日常生活で遭遇することが多い、マルカメムシ、クサギカメムシも掲載されていました。
冬虫夏草は中国では、漢方薬として重宝されていますが、ごく一部の種類です。
カメムシタケには滋養強壮作用はあるのでしょうか^^;
第10位:食虫植物(ハエトリグサ~)
食虫植物は昆虫を捕食するので、カメムシもきっと捕食されると思います。
わたしは、昔ハエトリグサを育てていてハエなどを入れた経験がありますが、まぁカメムシもちょうど入る大きさです。
ウツボカズラなどにも、カメムシが落ちそうです。
カメムシを好んで食べる天敵は?
カメムシを好んで食べる生き物はあまりいない様です。
まぁ臭いですし、そのにおいの成分にはアルデヒド系の毒が含まれているので、本能的に避けたい昆虫なのですね。
盛口満さんの本では、鳥はカメムシを結構食べていると書いているので、好んで食べる鳥がいるんだと思います。
クモ(クモの巣での捕獲の場合)や寄生蜂に関しては、直接匂いの被害を受けないので、好んで食べているわけではありませんが、カメムシはよい獲物なのではと思います。
あと食虫植物も匂いは関係ないと思います。
参考文献
『おもしろ生態と上手なつきあい方 カメムシ』(農産漁村文化協会)・・・野澤雅美著
↑ カメムシの入門本としては、分かりやすく必要十分な知識が得られます。
『教えてゲッチョ先生!昆虫のハテナ』(ヤマケイ文庫)・・・盛口満著
↑ この本面白くて気軽に読めます^^ゲッチョ先生が昆虫好きの子供達の質問に答えていきます。
あとがき
カメムシは農業・衛星害虫であり研究対象としての重要性が増しています。
日本の陸上には1000以上の種類が存在し、ここ近年急速に研究対象としての価値も上がっています。
その証拠にここ数年、今まであまりなかったカメムシについて書かれた本が出版される様になってきました。
そして今までは、カブトムシなどの甲虫や蝶の仲間一辺倒だった昆虫マニアの対象としてもカメムシが本格的に入ってきました。
カブトムシやクワガタなどありふれたものと違い、小学生などの自由研究にもオススメのテーマですね!
他にもカメムシの記事を書いています。
合わせて読んでいただけるとうれしいです^^
そしてよろしかったらコメントくださいね!
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