鈴虫の鳴き声の周波数のトリビア!電話で聞こえないってホント?
秋の鳴く虫の代表と言えば鈴虫ですね!その鳴き声は風鈴の様に涼しく秋の到来を告げているかの様です。
わたしは知り合いから鈴虫の鳴き声に関するある話を聞いて驚いた経験があります。楽器演奏が好きなわたしにはとても気になる話なのですが、彼らの鳴き声はどんなオーケストラのどんな楽器よりも周波数の高い成分を含んでいます。そしてとても興味深い現象が起こるんです。
なんと鈴虫の鳴き声は、周波数の関係で固定電話でも携帯電話でも拾えないんです!!ここではその理由を説明し、いろんな楽器と比較したりもしてみます。最初に鈴虫の鳴き声を聞いてどのくらいの周波数(高さ)かイメージしてみましょう!
目次
鈴虫の鳴き声を音声で確認!
鈴虫の鳴き声は有名ですよね!『リーンリーンリーン』です。鈴虫の鳴き声の音声を聞きながらどのくらいの音の高さか?先ず体感してみましょう!
楽器に詳しい方はどの楽器のどの音に近いか想像しておいて下さいね!鈴虫はミュージシャンの様に全身を使って音に強弱をつけていますよね。何か訴えかけているようにも見受けられます^^何て言っているんでしょうね。
それでは、前置きはこれくらいにして鈴虫の鳴き声が電話で聞こえなくなる理由を見て行きましょう!
鈴虫の鳴き声の周波数!なぜ電話では鈴虫の鳴き声が聞こえない?
鈴虫の鳴き声の周波数は何ヘルツ?
鈴虫をはじめコオロギ科の仲間達は固有の周波数(音の高さ)と音色を持っていて、それぞれが重ならない様になっています。また鳴き声を変化させて仲間にシグナルを送っています。
周波数と言っても一つの音色でもいろんな周波数を含んでいます。鈴虫の一番大きな目立つ音の周波数は4500ヘルツぐらいです。本によっては3200ヘルツとか4000Hzとかもありました。
(注:『昆虫の雑学辞典』日本実業出版社に掲載されている値を使わせていただきました。)
電話が拾える周波数、鈴虫の鳴き声は電話では聞こえないってホント?
電話は人間の声が聞き取れればいい様に作られているため、固定電話でも携帯電話でも300Hz~3400Hzの音しか送れないようです。一方鈴虫の鳴き声は上で書いたように約4500ヘルツです。そのため電話では鈴虫の鳴き声が音声として拾えません。興味深いですね!
電話で聞こえないのは鈴虫だけ?
【コオロギ科やキリギリス科の虫の例】
- カンタン・・・3000Hz
- エンマコオロギ・・・4000Hz
- キリギリス・・・5000Hz~
- ハヤシノウマオイ・・・12,000Hz
カンタンの様にピーク周波数が電話で聞き取れる最高周波数3400Hzより低いものもいますが、鈴虫だけが例外なのではなく大抵の鳴く虫は電話でその鳴き声が聞こえ難いことになります。
【セミの例】
それでがセミはどうでしょう?なかなか鳴く虫の周波数に関する資料が手に入らないのですが、日本ではそれを研究している大谷英児さんという方がいるでそうす。この方が執筆している本では絶滅危惧種であるエゾゼミ、アカエゾゼミ、コエゾゼミの鳴き声の周波数の平均が載っていました。
- エゾゼミ・・・5411Hz
- アカエゾゼミ・・・4932Hz
- コエゾゼミ・・・6173Hz
どれも鈴虫より高いですね^^
いろんな楽器と比較してみよう!
少し鈴虫の話題から脱線しましたが、鈴虫に戻って今度は鈴虫の鳴き声の周波数を楽器と比べてみましょう。
もっとも馴染みの深いピアノですが一番高い音は4186ヘルツだそうです。オーケストラで使われる一番高い音はピッコロが出す4200ヘルツなのですが同じくらいの周波数です。ちなみにバイオリンは2800ヘルツ、フルートの最高音は2300ヘルツです。
>>バイオリン2800Hz>フルート2300Hz
鈴虫など鳴く虫の鳴き声は私のイメージよりも高かったです。よく鈴虫など鳴く虫がバイオリンを弾いているイラストを見かけますが、バイオリンというよりもピッコロですね^^;
ちなみに私が専門にしているギターの最高音1弦の19フレットはシの音で988Hzです。エレキギターなんかで24フレットまであるものはミの音が1320Hz弱です。電話でも大丈夫です。
ですがイコライザーなどで音の抜けやシャリシャリ感を扱う時は、数千から1万Hzの周波数成分を扱います。ギターのそれぞれの音は倍音なども含めいろんな周波数成分を含んでいます。
鈴虫の鳴き声は状況や温度によっても周波数が変わる!
鈴虫の2種類の鳴き声
先ず上記のYoutubeの動画のところで聞いた鳴き方ですが、この鳴き方は『競い鳴き』と言われるものです。近くに仲間がいるとこの様に競い合うように鳴きます。そして状況に応じて鳴き方が違いもちろん周波数も変わってきます。
鈴虫は『競い鳴き』『ひとり鳴き』という2種類の鳴き方があると「鳴く虫の科学」という誠文堂新光社から出ている本に書いてありました。それぞれ簡単に説明すると、下記の様になります。
- 『競い鳴き』(リーンリーン)仲間と競い合う。
- 『ひとり鳴き』(リー、リー)ひとりでいる時。
前者は絶え間なく訴えかけるように鳴きます。上記の動画がその例です。もう一度聞いてみてください。この鳴き声だけ聞いても周波数、つまり音程を羽を擦り合わせるスピードで変化させているんです。すごいですね!
後者は一人でいるときの鳴き方です。例えば1秒鳴いて1秒休むを繰り返す感じです。動画を探しいるのですが競い鳴きのものばかりでひとり鳴きが見つかりません。見つけたら即アップしますね。
温度によって鈴虫の鳴き声はどう変わる?
温度が高くなると活発化しよく鳴くようになります。鳴き声の周波数も高くなります。
一方温度が低くなると活動が弱まりあまり鳴かなくなります。周波数も低くなります。
いろいろな状況によって変わってくると思いますが、温度によってこのように観察するのも興味深いですね!
前回、コオロギの鳴き方の温度による違いも書きました。エンマコオロギの場合は小数点一桁の単位で気温を測ることが出来るんです。ビックリですよね!こちらもお読み頂けるとうれしいです^^
まとめ
- 鈴虫の鳴き声の周波数は4500Hzくらい。
- 拾う音声の周波数帯が300Hz~3400Hzの固定電話、携帯電話では鈴虫の鳴き声が聞こえない。
- オーケストラの最高音ピッコロの4200Hzより高い音が出る。
- 『競い鳴き』『ひとり鳴き』という2種類の鳴き方がある。
- 温度によっても周波数は変わる。暑い時は高く、涼しい時は低い。
鈴虫の鳴き声は何度聞いてもいいですね!YouTubeで『鈴虫 鳴き声』とかで検索してみてください。すると、作業用の鈴虫のBGMが出てくるんですが、わたしは時々これをかけてリラックスしています^^オススメですよ!
最近のコメント